






有限会社つけしん様は、鴻巣駅駅ビル「エルミこうのす」のフードコート内でコロッケ店を運営しながら、店舗の一角を活用して地元商店の商品を販売するなど、地域貢献型の取り組みを継続されてきました。
「地域の事業者が継続的に繁栄し、地域に根づくことが真の地域貢献につながる」という経営理念のもと、さらに多くの方に鴻巣の魅力的な食材や特産品を届けたいという想いから、アンテナショップ「こうのすマルシェ」の新規出店を決意されました。
その際、鴻巣市商工会を通じて、店舗全体のビジュアル構築に関する支援をご依頼いただきました。1店舗目に続き、事業者・商工会・中小企業診断士・デザイナーの四者協働によるプロジェクトとして進行しました。
まず初めに、店舗の核となるネーミングから検討を開始。
「地元食材の魅力発信」および「生産者と消費者をつなぐ拠点」というコンセプトにふさわしい名称を模索しました。
店舗ビジュアルは「まちなかにある都会的な直売所」というイメージを掲げ、洗練と温もりの両立を目指してデザインを展開。
ロゴタイプには、上品さを感じさせる明朝体をベースに、少しレトロな丸みを加え、親しみやすさと品位のバランスを意識しました。
店内には、白木を用いたオリジナル什器を導入し、フロアには複数の木材を組み合わせたような表情を持たせることで、自然な温かみを演出。
また、店舗の中心的存在である「地元産米のおにぎり」を主役に据え、視線が自然と集まるようにデザインしたおにぎりコーナーのパネルやPOP、棚バナー等も制作しました。
さらに、地元事業者の商品群を「鴻巣オールスターズ」と銘打ち、ブランド化を意識したPOP展開を実施。商品価値の訴求と地域性の強化を図りました。
また、商品のPOPやプライスカードのほか、スタッフ制服のイメージ提案も含めてトータルにデザインを統一。視認性・接客力・地域性のすべてを高めるビジュアル面の設計を行いました。
プロジェクトを通じて、「こうのすマルシェ」は駅ビル内売上第1位を獲得。売上・利益率ともに大幅に向上し、その成果が高く評価され、令和5年度「彩の国 経営革新モデル企業」に指定されました。
Art Direction :Noriko Yokoyama
Graphic Design :Norio Yokoyama
Store Interior design :Nakaten Gunma(Kazue Ishida)
Store Construction :Nakaten Gunma